それは俺と目を合わせると、にたにたと不気味に嗤った。俺はそれから目を退けることもできず、目を合わせていた。
それが突然口を開けた。とうとう声をあげて大笑いでもしだすのかと思ったが、意外にもそうではなかった。
それは人間でいう舌に相当するであろう期間をゆっくりとこちらに向けて押し出してきた。その舌は羊歯の葉を思わせるように枝分かれしており、その先々の触手がいやらしくうねうねと動いていた。
なんとも言えない感情がこみ上げてきた。やっと身体が動く。俺はそれを深い、深いゴミ箱に捨てた。
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